カテゴリー「経営塾」の記事

2009年6月 9日 (火)

第33回黎明塾 ホリスティック・マネジメント

今月6日(土)に第33回目の黎明塾(経営勉強会)を開催しました。
今回のテーマは「ホリスティック・マネジメント」です。

実質的に第2期の最終章となる今回は、各回で学んだポイントを押さえながら、全体観に立った経営のあり方について考えました。
少し前までは「トータル・マネジメント」と言われていた考え方ですが、有機的な全体観といったニュアンスの必要性を前面に出した表現として「ホリスティック」という言葉が用いられるようになってきています。

今回のポイントは、インターナル・マーケティングの考え方をベースとして、中小零細企業における「コーズリレーテッド・マーケティング」のマネジメントの必要性について考えました。
昨今の経済状況を見るにつけても今後ますます経営環境が厳しくなるのは間違いがない。そんな状況下において、小規模経営において自他共の繁栄を目指すビジネスは存続できるのか。私達が突きつけられている課題は、あまりにも大きく圧し掛かってきています。

現実の生活で採算を取ってこそ持続可能な社会を構築することが可能になります。
机上の空理空論ではない実学と実践の現場。
私達が今日、明日、直面しているのは、そんな差し迫った生々しい現場です。

次回で第2期は最終開催となります。

【関連リンク】第33回黎明塾実施内容

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2009年4月13日 (月)

第31回黎明塾 拡大と撤退-財務の重要性-

一昨日、4月11日(土)に今月の黎明塾を開催しました。
当日のキャンセルも重なり、受講者わずか1名という最少人数での実施となりました。
内容的には財務諸表の構成や構成要素の確認を踏まえて、モデル例を元にして実習を行いました。財務分析の入口部分という感じで終わりましたので、次回内容を少し変更して今回の内容をおさえておきたいと思っています。

一般的に、財務分析の重要性、その有効性を十分に認識していない人が多いように感じます。会社の今の状況の追認といった程度の認識ではないかと思われますが、財務分析によって今後の方向性、経営判断の最終決断を行うこともあります。

総じて言えるのは、財務数値を十分に分析できない経営者は、自分自身で責任ある経営判断はできません。
よりポジティブな経営戦略を構築する上で、様々な考察を行ったこの時点で、今一度、財務の重要性を確認しておきたいと思います。

【関連リンク】
第31回黎明塾 実施内容

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2009年3月12日 (木)

第30回黎明塾 【事例研究】地域で事業を興す

3月7日(土)に第30回となる黎明塾(経営学習会)を開催しました。
今回は地域で事業を興す優位性と需要について考察しました。

今回の考察でも明らかなように、日本国内での個々の家計規模には2倍を超える格差が存在している。実質的な支払賃金の平均金額にも大きな格差が生まれてきており、サービス業の現場にあっては2倍近い賃金格差になっているのが実情である。

これは起業する立場からみれば、都市部で事務所等を有する負担は地方での負担に比べて2倍になっていることを意味している。企業のプライマリーバランスだけ考えれば、損益分岐点は、圧倒的に地方での企業経営が有利であることを示している。

では、それでも多くの起業家は東京などの大都市圏での開業を目指すのであろうか。
様々な要因が想定されるが、その最大のもののひとつが「消費需要」の都市集中化である。
多少の誤解を覚悟でざっくりと述べてしまえば、現在の起業環境は、
→企業間の過当競争を覚悟で消費需要が集中する都市部で起業するか
→損益分岐点が低い地方で起業するか
という二者間での選択という構図で捉えることができる。

今回のテーマは地方での起業に焦点を当てた。
その主な理由は、私が従来コンサルティングに関わってきた経験から、生命と食の安全、環境問題、人間的な生活の確保、金融政策に絡め取られつつある日本経済からの脱却といった諸問題の解決の方途として、第一次産業を主幹とした地域コミュニティの構築がその突破口となるという気持ちが強いことに由来する。

たしかに私自身は東京都内に暮らし、起業も東京都内で行い、今も都市部での仕事を中心に行っている。この黎明塾の受講者も、地理的、時間的制約で首都圏在住者のみである。従来のテーマや実例も勢い、都市部での企業経営の感覚が主となっていたことも否めない。

そのような中にあって、数年前より都市部近郊での商品開発に携わる機会を得ることもでき、いまだ実現には至っていないが首都圏を離れた農村地域での農業を主幹とした産業振興や自然エネルギー活用のプランニングも手掛けてきた。
私自身の出生は岡山県勝央町。県北山間の少し手前くらいの地域に位置する地方の1万人規模のコミュニティ。元々は農業主体であったが数十年の産業の流れの中で工業団地を開発し、兼業での農業を続ける家庭も多く残る地方である。古くからの友人の多くが製造系企業の製造現場で働き、また地域を支える企業を経営し、個人事業主として建築や販売業に従事し、そして農家として悪戦奮闘しつつ、地域の中核を支える世代になっている。私も生まれ育った故郷の行く末が気になって仕方がない一人でもある。

今回の後半は特に農業経営の実態と改善事例に焦点を当てた。
時間的な制約もあって、充分な考察に踏み込めなかったのが残念である。
また、私の思いも具体的な提言として示したいという気持ちもあるので、農業分野以外の起業も含めて、いま一度このテーマの続編を取り上げたいと思っている。

起業は雇用の創出でもある。
その意味で「どこで」起業するかという判断も重要な経営判断であることをお互いに確認し、持続可能な経営のための企業経営を遂行することを望みたい。

■実施内容についてはこちら↓
 第30回黎明塾実施内容【事例研究】地域で事業を興す-いま持続可能な事業のために-

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2009年2月17日 (火)

第29回黎明塾 地域密着の事業戦略-日本経済と地域を取り巻く環境の変化-

2月14日(土)に今月の黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「地域密着の事業戦略-日本経済と地域を取り巻く環境の変化-」。前回取り上げた雇用問題の延長としても重要な視点となる、地方における事業経営について考えました。

前回は雇用の一側面として、正規/非正規の格差と企業経営者の労働に対する意識の問題、製造業における延々と続いてきた偽装派遣と改正派遣法の深層を指摘し、経営者として社内スタッフとパートナーシップのいずれかで危機を乗り越える重要性について考えました。
雇用の問題は、雇用のことだけを考えていては解決できないことは自明の理です。
雇用を創出ということは、雇用を必要とする仕事を創出するということです。
ここでいう仕事とは、ものづくりであったりサービス提供であったりしますが、そうした仕事を創出するためには、その仕事を必要とする需要の存在が不可欠です。
そうした需要の創出こそが、今現在大きな政治課題となっている「消費の拡大」そのものであることは疑う余地はないでしょう。

雇用の創出とは事業経営の展開そのものであり、消費の喚起も突き詰めると求められる事業展開ということに直結します。
そうした視点を熟考せずして「雇用を確保せよ」「労働者の生活を保障せよ」「消費を拡大させろ」と叫ぶことに、大きな意味などほとんどありません。
現在の経済恐慌を本当に打破したいのならば、事業経営を全面的にバックアップするのが最良の道です。
政府が打てる手は大きくは2つの観点しかない。
ひとつは、新規事業や既存事業の拡大を側面的に支援する法的支援、中でもより強い意志を反映できて効果的と言われているのが税制面の法的整備。
もうひとつは、緊急時のカンフル剤的刺激政策。
歴史的にみても理論的に考えても、この2つの政策は王道というべき行政の役割です。恒久施策と応急施策ということでもある。

ならば私たち民力を発揮すべき立場の人間として、いま為すべきことは何か。
事業を創出、維持拡大することで大きな役割を果たす。
このことが求められている。

この30年ほどの間で日本の経済構造は劇的に変化してしまった。
その指摘を先進各国のデータで検証し、日本経済の格差を生んでいる、雇用形態以外の大きな要因である地域格差と第一次産業の衰退に着目し、その環境の変化を考察しました。また、地域産業への取組みが日本よりも先行している欧米各国の事例を学びました。

今回の考察にあたり、参加者への意識喚起として2つの提言を提示しました。
20090214_2 ひとつはロバート・B・ライシュ氏による『暴走する資本主義』、もうひとつは池田大作氏による第34回SGIの日記念提言『人道的競争へ 新たな潮流』です。
共に世界の有識者に注目された提言ですが、この二つには共通した主張が盛り込まれています。ライシュ氏は従来私達の社会は「市民」という側面と「消費者、投資家」という側面の2つがバランスをとってきたが、近年そのバランスが大きく崩れてしまったことを指摘します。この両者は民主主義と資本主義という言葉でも表現されていますが、現在の社会は資本主義の考え方が民主主義を席巻する「超資本主義」に侵され、回復の曙光が全く見えないという絶望感すら漂います。ライシュ氏はその象徴的事象として、企業の擬人化に注目。本来個々の人間の集まりに過ぎない企業が、あたかも人格をもっているかのような、現代人の認識に問題の本質が端的に集約されており、一例として法人税を全廃することを挙げて、個々の人間を基調とすることが問題の処方箋の根本であると主張します。

一方、池田大作氏の主張も同様の色彩を帯びています。
現在の世界が抱えている金融経済恐慌の背景には限りない効率追求と実態を欠く貨幣経済への根拠なき信奉があると指摘。これはかつてマルセルが指摘した「抽象化の精神」の罠に絡め取られた姿そのものであり個々人の短期的な利益と欲望に目が眩み、グローバル化した結果であると指摘。その解決の方途は「人道的競争」への転換と、抽象化ではなく具体性の代表ともいえる地域性に徹して一人一人の人間に光を当てた「内在的普遍」へのアプローチであると提唱しています。
さらにその具体的な方策として、環境問題を通した「行動の共有」、地球共有財に対する国際的な「責任の共有」、核廃絶への「平和の共有」という3つの共有への挑戦を掲げています。
池田大作氏のこの主張は20年以上前から一貫しており、その根源は万人の生命にはだれもが最高の生命状態を涌現する力があるという生命尊厳の仏法哲学に裏打ちされています。

両者に共通している最大のポイントは、行動の主体は企業や社会というような抽象化された団体組織等ではなく一人の人間であるという点です。
社会の変革といっても、経済恐慌の転換といっても、しょせんは一人の人間の行動からしか始まらない。そのかけがえのない一人の行動が二波、三波と広がり、千波、万波へと広がっていく。ここにしか変革の構図はないのだという両者の熱き思いに深く共鳴する人は多いのではないでしょうか。

市民であり消費者であり投資家である私達一人一人が真剣に考え行動することを訴えたライシュ氏、一人一人が身近な具体的な生活の場で改革することを提唱する池田大作氏の思いを具体的に実践するということはどうすることなのか。
仕事に携わる経済人という側面からのアプローチとして、地域密着の事業展開はひとつのチャレンジとも言えるのではないかと思います。
次回は具体的な事業事例を学びたいと思います。

【関連リンク】第29回黎明塾

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2009年1月13日 (火)

第28回黎明塾 パートナーシップ戦略と雇用の創出

今月10日(土)に28回目になる黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「パートナーシップ戦略と雇用の創出」。

現在の自社の体力を超える事業を行うというシーンはことのほか多くあります。自社の持っている能力の範囲内で仕事をしているだけではいずれは企業は衰退することになることを考えると拡大はすべての活動の使命ともいえます。
その場面で事業を遂行するのか、辞退するのか。
遂行する場合には、実力との格差をいかにして補うのかという経営判断に迫られます。
大きな選択肢として、パートナー・リレーション・シップ戦略とスタッフ雇用があげられます。

昨今の社会情勢への関心が高く、当日は「雇用」が主なテーマになりました。
日本の製造現場の実態は思いのほかよく知られてはいません。現場を経験したことがある者にとっては当然ともいえる派遣労働と業務委託の現実は長い間、存在しないかのように扱われてきた経緯があります。
平成16年3月の労働派遣法の改正のポイントをみてみると、労働力を必要としているメーカー側と、建前だとしても労働者の処遇を保証しようとする鬩ぎ合いが容易に見て取れますが、その改正内容は荒っぽい感が否めません。
このときの改正労働派遣法が今回の「派遣切り」の底流にあることは間違いのない事実です。
また時を同じくしてアメリカのビッグ3の破綻が伝えられていますが、日本の自動車メーカーが危機的状況を避けられているのは低賃金で労働力を提供している人達の存在があることを私達は正しく認識すべきだと思います。

これは労働力だけにとどまらず、部品供給や下請工場、外国人労働者や2次、3次請負の存在など日本の産業構造全体の問題。一般にホワイトカラーと呼ばれる分野においても、個人請負や日本版ホワイトカラー・エグゼンプションの導入等で雇用する側の論理が徐々に浸透しているようにも感じます。
中小企業の黒字経営率が非常に低いまま推移し続けています。
こうした慢性的な不況状態を抜け出すことが、本当にできるのか。
この一点をクリアできないとするならば、いくら起業する人がいたとしても、他人の不幸の上にしか自分の幸福は築けないことになってしまう。
雇用の創出など、一時的な利益だけでジリ貧になることを避けられない。起業を目指す者、そして現実の荒波の中で経営を行っている者にとっては、投げ出したくなるような状況が限りなく続いています。

ではどうすればいいのか。
多くの大企業の経営者は、思いのほか、安易な選択を行います。
自分の利益、特に創業者利益に預かっている者は、企業売却によって創業と一気に成長した利益をファンド化する。
スケールメリットを考えてM&Aを繰り返す。
しかし、それは根本的な解決にはならないことは、少し冷静な人であればわかるような単純な構造ですが、まことしやかに繰り返されます。
中小零細企業にあっては、何も打つ手すらなく、状況に翻弄されるのみ。必死に目の前の仕事に没頭しますが徒手空拳であることには変わりがない。その多くが廃業に追い込まれようとしている。

たしかにこのような経営者自身の問題が大きい。
しかし、それ以上に、市場を形成する消費者、国民、庶民の不見識が、本源的に問題を抱えていると断じたいと思う。
一部には怠惰な者もいるが、多くの企業経営者は必死に奮闘している。
しかし、その一方で、消費者も、自分のことだけしか考えなくなっていやしまいか。
将来の環境を破壊しているとわかっていても、安い商品を購入する。
どれだけの原価がかかっているのか、考えもしないで値段を値切れるだけ値切る。
自分の生活を考えるだけで精一杯だと主張ばかりして、地域やコミュニティのために汗を流さない。
社会が悪いのは「政治のせいだ」と罵り、そういう自分は他者のためには一切時間も労力も使わない。
そんなことで混迷の時代を切り拓く黎明を迎えることなどできやしない、と私は思う。

経営とは自他共の繁栄の実現にその目的がある。
そのためには経営者と共に、消費者が賢明にならなければ、その実現などありえない。
経営の神様と言われた松下幸之助も、明治に生きた日本の民業の基盤を創り上げた渋沢栄一も、全く同様の主張をしている。
ここに現在社会が直面している諸課題の解決の曙光が見えると私は考えている。

次回はこの突破口のひとつとして、地方地域における創業の可能性について論じたいと思います。

【実施内容はこちら→】第28回黎明塾<実施内容>

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2008年12月 9日 (火)

第27回黎明塾 テーマ:人材育成とセールス・フォース

12月6日(土)に今月の黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「人材育成とセールス・フォース」です。

どんな企業においても、営業・販売部門の育成、もしくは販売力の確保は収益の命運を握る最重要課題の一つです。
人員がある程度確保できる大企業と、社員自体が少ない中小零細企業では事情が大きく異なりますが、その根源は同様であるように感じます。
特に、自身が独立起業した創業業者にとって事業の拡大を模索する中で必ず直面する問題であり、この問題を乗り越えることができない企業が多く存在しているのが厳しい現実です。

創業者もしくは企業経営者自身ができる事業規模にはおのずと限界があります。
その個人の範疇で事業をするだけであればセールス・フォースの問題は大きな比重を占めるわけではありません。しかしそうしたミニマム・ビジネスの怖さはリスク・ヘッジができないことにあります。少しの景気や事業環境の変化であっても事業継続の危機に直面してしまうからです。
周囲の環境からの影響を相対的に小さくするには適切な事業規模の拡大が必要になります。そのような状況になった場合に経営者が選択する重要事項として「どの部門、役割を自分以外のスタッフに任せるのか」という経営決断が必然的に存在します。
オーソドックスな手順として、まず間接部門や管理部門を他のスタッフに任せ、その後に次の選択に入ります。それは、

事業の主体となる部門を任せるのか。
それとも営業販売部門を任せるのか。

という選択です。
とかく創業から年数が経たない企業や事業規模が小さい企業の場合は、経営者自身の人柄や能力、才能がクライアントからの受注を決定づける主たる要因であることがほとんどです。
個人能力で依頼されてきた事業をどのように企業組織化していくのか。
ここが重要なポイントです。
人材育成とセールス・フォースは企業の命運そのものなのです。

より多くの人材を育て、他人の人生に関わりを持ちながら事業を拡大するのか、一人の体制のままでフリーハンドでその時その時で重要だと思われる事業にパートナー関係にあるほかの経営者と協働しながら全力投球するのか。
確かに将来的なリスクをヘッジすることは難しいかもしれないが、当面現状の延長線上であれば大きな冒険をせずとも事業を継続することができるという意識も働きます。大きくしたくても、現状を維持することすらできない経営環境に追い込まれている経営者も少なくないはずです。
現実の判断としては大いに悩むところであり、またとかくすると、事業を大きくすることが目的にすり替わってしまう危険も多分に孕んでいます。
そうした見通し不安な状況を常に抱えながらも、常に前へ前へ進むことが経営者の本質なのかもしれません。
そういった意味では、日本人、少なくとも私の知る経営者の何割かは、経営ということの本質を考えてみるべき時期を迎えているように感じられます。

今回も2名での開催でした。
今後の開催も様々検討したいと思います。

【実施内容はこちら→】第27回黎明塾 実施内容

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2008年11月25日 (火)

第26回黎明塾 テーマ:3つのプロモーション・ツールを使いこなせ

11月1日(土)に今月の黎明塾(経営塾)を開催しました。
今回のテーマは「3つのプロモーション・ツールを使いこなせ-ツールの性質と利用法-」です。

ここで取り上げているプロモーション・ツールは広告、販売促進、パブリック・リレーションズの3つです。
組織の立て分けが明確になっている企業においても、ことのほか上記3ツールの違いが意識されていない場合があります。ここで特に注目してほしい視点は、双方向コミュニケーションができているかどうかという点です。
「よいものだから売れる」という時代は終わった、と賢明な経営者はすでに気づいています。しかし「元々よいものだからそこをわかってくれれば必ず売れる」という意識は依然として経営者の心情の根底に居座り続けています。
そのこと自体は、おそらく、決して間違いではありません。
しかし「よいもの」というプラス評価の基準はどこにあるのでしょうか。経営する側、作り手の側にあるだけで、使用する消費者の側では全く違う評価メジャーで選別されるとしたら、その「よいもの」はひとりよがりでしかありません。

ここにプロモーション・ツールに双方向コミュニケーションの視点が不可欠であるという論拠があります。
では具合的に、どうすればよりよい形で双方向型コミュニケーションを行いながらプロモーション・ツールを使いこなすことができるのか。
これが今回の最も大切なポイントです。

当日は2名と非常に少ない人数での開催でした。
いまだ時おり参加に関する問合せはありますが、以前に比べると激減しています。
実際に足を運んでくる人はほとんどいなくなっています。
人の心は移ろいやすいものといいますが、昨今の不況に遭遇して独立経営することに魅力を感じなくなっているのでしょうか。
おそらくですが、従来「独立開業したい」と希望する人達の中には相当な割合で「会社組織の煩わしい人間関係から離れたい」というネガティブな動機と「働いた分が報酬として受け取れないサラリーマンではなく自分の努力の結果が報酬にダイレクトに出てくる」という経済実態を無視した非現実的空想の動機の2タイプが含まれていると感じています。
これら2タイプの独立開業志望者は、社会的な状況が暗転するとたちまち安易な選択肢に方針転換してしまう。数年前にマスメディアがもてはやした開業独立ブームの本質は所詮そんなものだと私は見ています。

何をもって自身の人生の方向性を判断し、進むべき道を選んでいくのか。
経営哲学を云々するその前に、自身の人生の哲学を真摯に考えられる人こそ、これからの経営者として求められるのではないだろうか。

【実施内容はこちら→】第26回黎明塾実施内容

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2008年10月 6日 (月)

第25回黎明塾「統合型マーケティング・コミュニケーションのマネジメント」

10月4日(土)に今月の黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「統合型マーケティング・コミュニケーションのマネジメント」です。

大きなトレンドが存在しなくなった現代において、事業収支を黒字化し、維持し続けることは極めて困難な状況になっています。
また、携帯電話等の最先端技術の分野、食品飲料に代表されるように、多くの市場において、商品ライフサイクルは極端に短命化しており、商品が売れても開発コストを回収できずに次の商品に消費が移行してしまうという現象が常態化しています。
商品やサービスの開発コストを削減するのはもちろんですが、短命化する商品ライフサイクルにどのように対応するべきか。
それは、消費者動向を表面的にとらえるのではなく、顕在化されていない潜在的シーズを商品機能に反映させるというアクションとして求められている。
私はそのように考えています。

マーケティング・コミュニケーションは商品サービスの提供者と利用者との双方向コミュニケーションにその本質がある。
しかし、理屈ではわかっていても、ビジネスの現場では実現されることはほとんどない。その理由は何か。
それは、事業者が提供できる商品サービスが自ずから限定されているという現実に原因がある。当たり前といえばそれまでだが、この認識を正確に把握し、双方向コミュニケーションに徹すればビジネスとしての採算性は充分に見込むことができるのである。
とかく事業というものは、「これこれの技術がある」「こんな商品を市場に出したい」「ショップを開いて売上を上げたい」という自分の強い思いから出発する。
しかしそれがいま、声が届く消費者にとって「なくてはならない」不可欠の商品であることは殆どない。

では事業者としてはどうすればいいのか?
これらの人たちに向けて広告宣伝を行なって購買を促進するのか?
それとも、その商品サービスを必要とする人達を探し出してニーズを聞くのか?

これが今回の大きなテーマである。
当日は、ここ1~2年で見受けられるトレンドを紹介しながら、収益改善を果たしている企業事例を検証しながら進めた。
個々の事例をみると納得できる施策を行なっている。がしかし、複数の企業事例を冷静にみていくと似たようなビジネス環境にあって180度も違う施策を行なっているケースに遭遇する。今回の事例をみてもそうである。
実際の自分の場合であればどちらの選択がより適切なのか。
ここにビジネスの決断の本質の一端がある。

マーケティング・コミュニケーションを現実に展開するポイントを踏まえつつ、個々の実例に対処できる経営者を、市場は強く求めている。

【関連リンク】
第25回黎明塾 実施内容

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2008年8月 7日 (木)

第24回黎明塾「流通業およびマーケット・ロジスティクス」

8月2日(土)に第24回となる黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「流通業およびマーケット・ロジスティクス」。

メーカーによって用意された製品、サービスは何らかの形によって消費者、使用者に届くことが必要である。従来この機能を流通と呼んできた。この流通には商的流通(商流)と物的流通(物流)の2側面があり、以前はそれぞれ独立した部門で行なわれてきた経緯がある。
特にPhysical Distribution の訳語である物流は、製品の輸送、保管、荷役、包装、流通加工という現業に限定されるなど、経営活動の中で軽視されてきた。
その後、ロジスティクス(logistics)の訳語により、後方支援という概念が日本の経済界に導入されたのは実質的に1970年前後であったように思う。

その後、サプライチェーンマネジメントとして再評価され、マーケット・ロジスティクスとしてその概念は発展拡大してきているが、いまだ日本における経営的な位置付けは充分ではない。コスト部門という意識が強く、できることであれば業務委託によってコスト削減すべきという固定概念にとらわれたままの経営者も多く存在している。

当日は、流通業を専門とする経営者の視点と共に、企業経営におけるマーケット・ロジスティクスの重要性を考えました。

【関連リンク】
第24回黎明塾・開催内容

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2008年7月14日 (月)

第23回黎明塾「マーケティング・チャネル」

7月12日(土)に第23回の黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「マーケティング・チャネル」。

マーケティング・チャネルをどのような形態で構築するのか。
経営の実務面において重要な構成要素となるのがマーケティング・チャネルである。

「マーケティング・チャネルの判断によって1000万円の費用を削減することは1億円の売上に相当する」といった表現が用いられることがある。この表現自体は売上と利益の関係を説明しているに過ぎないが、裏返せばマーケティング・チャネルには経営判断の裁量が大きく、経営を持続できるかどうかのポイントも多く存在しているという見方もできる。

事業は常に変化し続けている。
その変化の兆候を一番最初に感知できる日常活動もマーケティング・チャネルである。それと同時にチャネル全体を自社管理するためには膨大な費用を要する事実があり、それを行なうことは採算性の面から現実的ではない。
では、どのような形態で、どの段階を、だれが担うのか。
ここにチャネル設計の目的がある。
経営は総合芸術である。
一人でできるなら、それは素晴らしいことである。
しかしそんな人間はそうざらにいるものではない。
そこに組織の必然性があり、チャネル・アレンジメントが発揮される。

チャネル・アレンジメントの優劣によって企業としての収益性が大きく左右されるという認識で経営判断に取り組みたい。

【実施内容等について】第23回黎明塾の実施内容

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