カテゴリー「経営」の記事

2010年2月18日 (木)

トヨタにとっての危機管理能力とは

世界のトヨタの実態とは、こんなものだったのだろうか。
豊田章男社長が米議会の公聴会に出席しない意向を公言してしまった。
その理由は現場の実態は現場の方がよくわかっているから、北米トヨタの稲葉社長が出席するのがベストな選択だということらしい。

いま世論が求めているものが何であるのか、わかっていない。
現場の実態を最もよく知っているのは現場。そんなことは当たり前だ。
そんな理由で公聴会に出なくていいなんて誰が承知するのだろうか。
明らかに気持ちのうえに「逃げ」がある。
平時では、それでもいいかもしれない。
しかし今は企業存亡の危機的状況である。
そのことを深く自覚し、格好などつけていないで、ありのままを語るために消費者の前に出てくることだ。
それができなければ、経営から退くしか選択肢はない。

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2008年5月17日 (土)

主婦業の年俸1200万円

先日、アメリカの調査会社の試算として「専業主婦の年収は1200万円」という記事が報道された。母の日に寄せた発表であり、こうした試算は常態化している。
試算の目的は、とかく軽視されがちな主婦業の大切さ、大変さを再認識することにあるようであるが、しかしこうした金額が提示されることに違和感を覚える人も少なくないはずだ。

労働時間を給与に換算するという発想がサラリーマン的なためだろうか、私も違和感を覚えてしまった。間違いのないように言っておくと、この金額が高いとか安いとかということを問題にしているのではない。
こうした試算をしてしまうと、多くの人に有為な商品を開発販売している大企業の社長も、泣かず飛ばずで青色吐息の零細企業の経営者も、同額の給料だということになる。
現実の社会では、もちろんそんなことはあり得ない。
自分が働いた時間分の報酬が得られるのならば、中小零細企業の経営者の苦悩など存在しないことになる。

ある一定の意図を持って、特定部分だけをクローズアップするとそのひずみが必ず生まれるものだ。おもしろおかしく報道したり、ネット上でも再掲したりコメントすることは慎むのがよい場合もあるのではないだろうか。
労働時間=自分の報酬。
こんな発想に疑問を持たず主張してしまう精神構造に、現代社会の病巣の一端があるのかもしれない。

【関連記事】
時事ドットコム「主婦業、年俸1200万円=米社が「母の日」で試算」
All About「主婦の仕事を年収に換算すると

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2008年5月 3日 (土)

絶対に許せない 船場吉兆で食べ残しを他の客に

船場吉兆で一度出した料理を他のお客に再度出していた事実が判明した。
言語道断だ。
お客様が食べ残した料理を、別のお客様に使い回すなどということは、飲食に関わる者として、絶対に行なってはいけない卑劣な行為である。しかもそれが日本を代表するかのような高級老舗料亭で行なわれたとすれば、驚きを通り越して、激しい怒りを覚える。
これが今の日本の老舗飲食店の、そして日本の企業の現実なのか。
「そうではない」と力強く断言できる経営者を一人でも多く輩出するしかないと痛感している。

【関連リンク】
食べ残し別の客に 刺し身やアユの塩焼き 船場吉兆(産経新聞).
船場吉兆Webサイト

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2007年12月 3日 (月)

第16回黎明塾「製品ライフサイクルと製品ポジショニング」

12月1日(土)に第16回黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「製品ライフサイクルと製品ポジショニング」。

身近な企業経営者と話していても、正確な意味の製品ライフサイクルを理解している人は本当にわずかだ。殆どの経営者は「どんな製品でも導入→成長→成熟→衰退という4段階を経るということだ」程度の認識である。実に貧弱といわざるをえない。
差別化の視点や、自社が提供している製品のライフサイクルに応じたより適切な戦略を、いかに立案し、実践していくのかという経営戦略に至っては、何ら有効的な回答が期待できないのが現代日本における経営の実情であろう。

今回は根本的な概念である差別化とポジショニング戦略の考え方を押さえた上で、製品ライフサイクルの各時期におけるマーケティング戦略の留意点と具体例を学ぶことにした。
そして少し視点を広げて、市場そのもののライフサイクルを創出していく起業家の立場から、市場のライフサイクルについての取り組み方を考察する流れとした。

今回の内容に関連してひとつ指摘しておきたい。
日本の経営において特に顕著なのではないかと思うのは、「スタイル」と「デザイン」の概念を正確に把握できていないことである。
あなたは「スタイルとは何ですか?」と問われてどのように答えるだろうか。
また「マーケティングにおけるデザインの重要性を教えて下さい」と問われて何と答えるだろうか。
特にデザインという言葉は、グローバルスタンダードな理念と全く異なる使われ方をしてきた。100人の経営者がいても99人は製品の外観やパッケージ程度の認識しかない。
製品開発に関わる者であってもその認識はさほどの違いはない。
日本における創業成功率が格段に低い理由の一つもこうした点に現れていると私は感じている。

理解を容易にするために「製品」というカテゴリを用いていることも付け加えておきたい。
サービスという無形商品も大きなビジネス分野であり、無形財にあっても同様の考え方が重要である。

【関連サイト】
第16回黎明塾「製品ライフサイクルと製品ポジショニング」

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2007年11月 7日 (水)

山場CMを「不愉快」86%

当然だろう。
私はマーケティングに従事する者の一人として以前から視聴者の気持ちを逆なでする構成だとあきれていた。
今回の調査では山場CMで流される商品に対する購入意向も訊いている。実に「買いたい」という人は2.9%で、「買いたくない」とした人は34%という結果だ。そうだろうなぁと納得の調査結果だ。
この程度の視聴者感覚をTV局の人間はわからなくなっているということだ。
たぶん山場CMの枠の方がひと段落CMよりも高く売られているに違いない。
多少なりともマーケティングに携わる人間であるならば、こうした数字を突きつけられた自らの体質を大いに恥じるべきである。

【関連リンク】
「ここぞ」という場面でCM 「不愉快」86%「繰り返し」もウンザリ

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2007年11月 5日 (月)

無料電話相談を開始<第1回を実施>

複数のお客様から要望をいただいたので電話による無料相談を始めました。
毎月第一月曜(祝日に当たる場合は翌火曜日)午前10時から11時30分までを充てることにして、今月は第1回目でしたが問合せは1件。まずまずかな。
特に告知をしなかったので逆に「よくかかってきたなぁ」と内心驚きも(^^ゞ
月初の週明け月曜日の午前中というのもわかりやすいのかもしれない。
月初の週明けは事務所での書類整理等にかかることが多いので、かかってくる電話が続く間は続けてみようと思っています。
通常の問合せは従来通り時間等に関係なく気兼ねなくお寄せ下さい。
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★無料電話相談★
 実施日時:毎月第一月曜 午前10時~11時30分
 対応内容:経営及びマーケティングに関する相談
 電話番号:03-3925-5914 
 担当者 :畑森(はたもり)
 ※祝日の場合は翌日(火曜)になります。
 ※概ね10~15分/回を目安に相談内容を準備下さい。
 ※なお無料相談は初回の1回のみとなります。
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2007年10月12日 (金)

中小企業における事業継承の本質とは

Gl001_l 少子高齢化社会のおける経営課題のひとつが事業継承である。
現在の中小企業経営者の平均年齢は57歳。
人材がある程度確保できる規模の企業なら問題のない年齢であるが、殆どが数名で構成される中小企業においては相当厳しい現実だ。現時点で後継者が決まっている企業は約4割と言われている。しかしだからといって「中小企業の6割が事業継承者を必要としている」という認識は誤りだ。
現存する中小企業の大半は赤字経営。したがって事業を継承させたいという意志を持っている経営者は圧倒的に少ない。「誰が好き好んで赤字経営の苦労を背負い込むんだ?」というのが現場の声だ。
また経営者の引退予想年齢が67歳という調査結果もあるが、現実問題として67歳まで的確な経営判断ができるとは正直考えにくい。

中小企業庁や中小診断士の先生方は口を揃えて、会社の現状把握を含む事業継承計画の必要性を訴えているが、そもそも現時点で後継者が育っていない会社に本当に後継者が必要かどうかの判断が必要になる。
その会社に存続理由があり、事業継承してほしいと現在の経営者が望むならば、継承するに足る事業になっているのかというステップに入る。
がしかし、ここで多くの企業は「事業継承の価値なし」という経営判断になるのだ。

一代限りというのが中小企業の、今も昔も変わらない現実である。

しかしそのうえで、留意すべき企業群が存在する。
確かに「事業継承の価値なし」となる企業が多いと書いたが、その判断をする基準項目とウェイトが重要になる。判断する者がどういう視点で企業活動を見るかによって判断基準と結果は大きく違ってくるからだ。個々の基準についてはあえてここでは記述しないが、
 それは技術力かもしれない。
 優良顧客を持っていることかもしれない。
 独自の販売ルートを有していることかもしれない。
 独自の研究開発手法かも知れない。
それ以外にもここに書けない特筆事項が存在することも多々ある。
現時点では充分な価値がないとしても手を入れることで将来的な可能性が秘められていることも多い。
それは百社百様だ。
また事業そのものになにを求めているかという継承を考える側の考え方、哲学の問題でもある。
そしてなによりも事業継承を受ける者の経営能力に、大きく左右される。
「中小企業は一代限り」という通説を覆すには
・親族内継承か
・外部経営者の受入か
・M&Aか
というような従来通りの使い古された陳腐な発想では、到底およびつくものではない。

事業継承者を必要としている中小企業の実態は、診断士が考えているような簡単なものではないが、大きな可能性が眠っている。
それは新規創業と比べると、間違いなく大きな財産である。
その財産を現実化させることが「本当の意味での事業継承の醍醐味である」と私は思っている。

【関連リンク】
中小企業庁
事業継承ガイドライン 20問20答

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2007年10月 3日 (水)

エキナカ商業施設 固定資産税の評価見直し

昨年来検討されてきた鉄道用地内での商業施設(通称「エキナカ」)への固定資産税と都市計画税について、通常の商業施設並みの課税を東京都が発表した。
JR東日本は今月2日、この課税措置を原則受け入れることを発表した。

この経営判断は適切だ。
私は駅ビル内への出店コンサルタントを行なった経験からも「エキナカ」への税負担の軽減措置は妥当ではないという考えを持っていた。報道でも指摘されているとおり、駅構外には改札を出た場所から商業施設が広がっているにも関わらず、税負担に3倍もの開きがあることには、公正かつ自由な競争を確保することを謳っている独占禁止法の精神にも反するとさえ感じていた。

しかも経営的視点から言えば、駅構内の方が売上を構成する立地要件が、より整っている。
つまり、より立地条件がよいにも関わらず大家(土地施設所有者)の税負担が軽いという逆転現象が起きていたわけである。
更に指摘すれば、その税負担軽減の恩恵はテナント入居者(お店)には何ら還元されていない。テナント料は「好立地」ということで「エキ外」よりも格段に高く設定されているのが実情だ。

エキナカを利用した人は気がつくと思うが「こんな小さなケーキが何で800円もするの?」とか「同じチェーンの飲食店なのにどこか盛り付けが見劣りするなぁ」と感じた方も少なくないと思う。
一般の消費者が知る機会はほとんどないが、JR駅構内やJR所有の駅施設内でのテナント料は周辺施設に比べても比較にならないほど、高い。いわゆるテナント料の他にも様々な名目の費用が付加されるためにJR東京駅など主要ターミナルに至っては、坪当たり費用は銀座の一等地の賃料を超える相場になっている。
「これで採算を取れというのはどういう神経なの?」という言いたくなるような場所でさえ坪5万円を超えているケースもある。

ではテナント入居している店舗はどうやって採算をとるのだろうか。
多くの店舗では、致し方なく販売商品の単価を高く設定したり、盛り付けのボリュームを下げたり、原価の抑えられる原材料を使うといった、消費者にとっては不利益になる不本意な経営をせざるをえない状況に追い込まれている。
それでもJR主要駅に出店しているというだけでも波及効果があるという側面が強く、出店を希望する企業、店舗は後を絶たない。したがってJRなど鉄道事業社サイドは強気の価格提示を続けているのである。

このような状況のなかで、税の軽減措置で得をしていたのは土地施設所有者であるJR東日本など鉄道事業者のみ、しかもその場所で高額の賃料収入を得ているという、極めていびつな現実が続いている。
今回の措置でその異常な状態が部分的でも修正されることを望みたい。
そして私たち消費者は、JR等の事業者がこの税負担をテナント入居者に転嫁するような行為をとらないように監視すべきである。

JR東日本社長の清野智氏は追加課税分について「23区で13億円、社全体で20億円。それなりに納得して支払うことになる」とのコメントを発表しているが、あまり上から見下ろすような印象の与える態度は止めておいたほうがいい。
今までの「一人丸儲け」の状態に消費者が気がついたら、バッシングの嵐になりかねない。

【関連記事】
「駅ナカ」 追加課税「納得」 JR東、支払い受け入れ
駅ナカ商売拡大で22億円追加課税へ、都が固定資産税など
独占禁止法(公正取引委員会)

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2007年9月11日 (火)

もったいないな、あのお店。

8日に行なわれたシンポジウムに参加するため八王子市に行った際、少し早めの時間に昼食を駅ビル(八王子NOW)の飲食フロアでとったときの出来事。

エスカレータで9階フロアに上がり、ぐるっと各店を見る。11時半前ということもあってどの店も空席が多い。店構えも同じような感じで「フロア全体をコーディネートした店舗デザイナーの人がいたのかな」とか思いつつ一周する。メニューや料金、店内の広さもさほど差がない。軽めにそばでも食べようと思って、2つあるエスカレータのひとつに近いお店に入った。

店内の雰囲気、テーブルの大きさ、価格や料理の味、注文から出てくるまでの時間なども及第点で格段の不満はなかった。しかし、また行こうとは思わない。
それはなぜか。
店員の応対が、よくない。
愛想がないとかそういうことではない。人として伝わってくるものが誰にもないのだ。無愛想とかではないだけに、もったいない。なんとかなるのに、と感じるのだ。
さほど混んでいないのに、のれんをくぐっても1分以上店員が出てこない。
女性店員がやっと顔をみせたと思うと、挨拶もなくいきなり「あそこに」と左手で示すが、空いている席が3~4テーブルありどこに座っていいのかわからない。戸惑っていると既に店員は奥に入ってしまっていた。
少々待たされて別の女性店員が注文にくる。ランチメニューの名前を覚えてなかったので「入口の前に出ていた今日のお奨めのセットを」と告げると「はっ?」「何のセットですか?」と店員はあからさまにいやな表情に(^_^;)私は必死に思い出そうと「え~と、たしか塩○なんとか御膳とか書いてあったような...」(あとで見て見たら塩○はお店の名前で、ごはん物は全部、塩○☆☆御膳となっていた^^;)と告げるが、よくわからない店員は「とろろご飯のあるセットですか?」といわれたが覚えていない私は「そうかな?...よく覚えてないのでそれでいいです」と答えた。テーブルにはメニューがあったが、時間がもったいないと思ったのだろうか、メニューを使って確認しようとはしなかった。
話の落ちは想像がつくだろう。私が食べたかった御膳でないものが出てきた。
そばも食べられなかった。店内のお茶はそば茶だったが(^_^;)
料理が出てくるまでの待っている間、やっと落ち着いて回りを見ると私が食べたかったものを半分以上のお客が注文している。なんで欲しい御膳のことがわかってくれなかったのかなぁ。
会計の際もレシートを渡されただけで「ありがとうございました」等の言葉もない。私が代金を支払う際はレジだけを見ており、レシートを手にしたときには半歩歩き出していた。

お店を出るとちょうど正午。
回りの店舗を見ると10名前後の入店待ちのお客様が並んでいた。
私の入ったお店はもちろん行列などなく、店内にはまだ空席が残っていた。
地元の人たちはさすがによく知っている。

経営者は気がついているのかなぁ...もったいない。
厨房も、内装も、外装も、メニュー構成もよいのに、本当にもったいない。
ある意味で業績改善がやりやすいお店だ。一緒にやりませんかと言いたくなる。
手を入れれば、売上も、お客様の満足も、ぐんっと伸びるのに。
もったいない。

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2007年6月13日 (水)

マクドナルドの価格戦略の試み

昨日6月12日、日本マクドナルドホールディングスが、全国統一価格から地域別価格への変更を検討していることを発表した。

100円商品を除く全商品の価格を、東京、神奈川、大阪、京都の4都府県で平均3~5%の値上げを行ない、東北と中国地方で2~3%値下げするのが検討案の柱となっている。
その理由として、都市部と地方との人件費や店舗賃借料等の経費格差を挙げている。

日本マクドナルド全体としては、平均3~4%程度の業績改善を見込んでいるのだろう。低価格戦略から、差別化商品の定着へ、方向性をもった戦略が成功軌道に入りつつあるマクドナルドの次なる一手だ。

そもそも、ナショナルチェーンだから取扱商品を均一料金で提供しなければならないという理由はない。
しかし、日本ではそうした商習慣が長く続いてきた。
オープン価格の導入は、ひとつの対応であったが、地域別商品価格の導入は新しい時代を画する試みになるかもしれない。

《関連リンク》
日本マクドナルド:地域別価格を検討 セット商品差額最大70円程度(毎日新聞)

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