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2012年12月 5日 (水)

法の下の社会秩序は あなたの持論

日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)が、衆議院選挙期間中もツイッターでの情報発信を行うと発言している。
橋下氏は公職選挙法の規定についても「バカみないなルール」と批判し、政党の一般的な主張は発信しても問題がないはずだと主張し、その考えに沿ってツイッターの更新を続ける模様だ。

公職選挙法の規定や、その条文を解釈したツイッターやブログ等の更新禁止の行政指導等は、たしかに現実と乖離している感がある。
元々は選挙資金力による広報宣伝の差が出ないようにとの趣旨で広報配布物の部数上限を定めた条文を電磁的文書に適用解釈したところに、この問題は起因している。

この条文の主旨から勘案すれば正反対の解釈ができる個所でもある。
印刷や配布にかかる人件費や折り込みなどの費用がかからないツイッターやブログ等を活用することで、資金力や運動員数の違いに関わらず主張を伝えることができる。
そのように解釈すれば更新を禁止する意味はなくなる。
それどころか積極的に活用するよう行政指導が行われてもよいとも言える。

更新禁止にした背景には、Webツールが普及し始めた当初時点では、情報格差(デジタルデバイド)があった。
情報を使いこなせる者とそうでない者、またその情報を受け取れる者とそうでない者との格差が均等な機会を阻害するという考え方によるものだった。
しかしこの10数年の中で時代と情報利用の状況は大きく変化した。
総務省も、条文の解釈を見直す時期に来ている。

しかし、だ。
総務省の解釈や公職選挙法の規定が時代遅れだからといって、その行政指導等に逆らって行動してよいのか。
法の下の社会秩序を守ることは、一般市民の務めではなかったのか。
橋下氏の主張はわかる。
法律や行政指導の不備を指摘し、問題を明らかにして、正しい姿にする。
そのことは堂々と行動すればいい。
だからといって、そのことが法律や法の下の秩序を犯しても構わないという理由にはならないのだ。

そのことは、法律家である橋下氏自身が、様々な場面で繰り返し主張してきたことではありませんか?そんなことがまかり通ってしまえば、誰も法律や行政に従わなくなってしまう。特に条文の解釈は幾通りにも展開することができる。
多くの市民がそれぞれの解釈で行動したらどうなるのか。
橋下氏が自分自身だけはそうした行動が許されると思っているとは思いたくないが、ここ1~2ケ月の言動にはそんな危険も感じられなくもない。
橋下氏には、自身の言動を今一度見つめ直してほしいと思う。
選挙が終わって、再び大阪市長という行政のトップの仕事に専念し始めた時に、大阪市民が似たような行動を起こしてくることを想像したらよいのではないだろうか。

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