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2012年4月 4日 (水)

改めて痛感 「想定外」の未熟さ

「未熟」というのはこういうことを言うのだろう。
昨年の3.11勃発当時に首相官邸の「テレビ会議システム」が全く使用されていなかったことが報道されている。このシステムは東海村臨界事故を教訓にして国家最高レベルの危険事態に対処するために整備された。専用回線の維持費だけで年間5~6億円が投じ続けられているという。
何のために国費を投じて整備したのか。
毎回の訓練の時には接続されていたという。何のために訓練しているのか、総理大臣(当時は菅直人)を先頭にした首相官邸の面々が当事者意識を持っていたのか、はなはだ疑わしい。
明らかな、民主党政権の未熟さである。
自公政権でもそうだったじゃないかとの声は当然ある。しかし自公政権であれば政権経験が豊富な政治家と官僚の関係から考える、と首相のスタンドプレーはありえず、このシステムも組織で動き粛々と活用されただろうと推察される。
現実の結果は正視眼で見なくてはならない。

一国のトップからしてこの体たらくだ。
自国の国民に「防災意識や生命を守る意識を持って、いざという時に行動せよ」と言っている本人が動いていないのだから、個々の国民の意識は推して知るべし、と言ってしまいそうになる。
防災は「自助・共助・公助」の組み合わせだと言われている。
しかしどこまでいってもその基本は「自助」だ。
現在の日本国政府の体たらくを嘆くだけでは自身の生命を守ることはできない。
みずからが今いる場所で即刻行動を始めなければならない。

先日来、親しい友人に群馬大学教授の片田先生のインタビューを収めたDVD映像を見ていただいている。片田先生の防災教育によって多くの子供たちとその家族の生命が救われた『釜石の奇蹟』を「奇蹟」ではなく「想定内」にする努力を私達が続けることが、今求められていると感じられてならない。

◆片田教授のインタビューはこちら
 防災教育から生まれた『釜石の奇跡』※前半
 防災教育から生まれた『釜石の奇跡』※後半

◆メディア報道
 官邸テレビ会議未接続 原発事故時「思いつかず」

2012.4.4 08:01

 昨年3月の東京電力福島第1原発事故発生時、首相官邸と経済産業省原子力安全・保安院、現地のオフサイトセンター、自治体などを結ぶ国の専用回線に、首相官邸のテレビ会議システムが接続されていなかったことが3日、分かった。

 官邸では訓練の時だけつないでおり、事故時に誰も接続作業をしなかった。システムは平成11年に起きた東海村臨界事故を受けて整備し、回線の維持費は年間計5億~6億円。福島事故では放射性物質の拡散予測システムを活用しなかったことが判明しており、巨額の費用で整備した防災システムを生かさなかった事例がまた表面化した。

 システム機材は、事故対応に当たる官邸地下の危機管理センターではなく4階の会議室に置いてあり、接続作業は原子力安全基盤機構と内閣官房が担当。機構の担当者は「オフサイトセンターの支援などに追われ、思いつかなかった。官邸や保安院から要請もなかった」とし、内閣官房は「保安院の職員が官邸に詰めて電話やファクスで連絡を取っていた。必要なかったか余裕がなかったか、使わなかった理由は分からない」と説明。常時接続するよう改めるという。(MSN産経ニュース)

《記事元リンク》
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120404/crm12040408020002-n1.htm

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