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2010年7月 9日 (金)

口蹄疫問題対処にみる政治家の資質

口蹄疫問題の全面解決に向けて、東国原知事が動いた。
殺処分勧告を唯一拒否し続けている民間業者宅を訪問。農場経営者である薦田長久さん(72)と話し合いを持った。その場で薦田さんは所有している種雄牛6頭を県に無償提供する意向を表明、東国原知事もこの種牛を「県有」とすることを合意した。
この合意に基き、宮崎県は国に対して処分回避の特例適用を求めていくことになる。

東国原英夫知事と山田正彦農林水産大臣。
果たしてどちらの主張が、より正しいといえるだろうか。

私は以前から種牛など末端で働く多くの庶民レベルの農業従事者に大きく影響する判断については、法律の元々の趣旨を勘案して弾力的に運用することを主張してきた一人である。
5/24付ブログ「口蹄疫問題で種牛49頭の殺処分発表 他の選択はできないのか」

その意味からも、今回も東国原知事の行動を支持したい。

山田正彦農林水産大臣は「法律、法律」というが、まずは本来的にどうすべきなのかを吟味すべきではないか。そのうえで現行法が諸事情を充分に勘案していないとなれば後日修正を行なうべきであり、直近の問題として法律運用で適法に処理できる方途を探るべきである。

また山田農林水産大臣は「種牛を殺処分しないと口蹄疫がさらに広がる可能性が高い」と発言しているが、これは間違いなく失言であり、虚言だ。
その種牛が感染していなければ口蹄疫は広がるはずがない。
経過観察を続けて「感染なし」となれば生かし続ければよいわけであって、「殺処分しないと口蹄疫が広がる」という発言は明らかな事実無根、風評も甚だしい。
早々に撤回することを求めたい。

なぜ東国原知事と山田農林水産大臣とで、こうも次々と主張判断が対立するのだろうか。これが信念哲学の有無の違いだと私は見ている。
この口蹄疫問題の解決にあたって、口蹄疫問題の封じ込めという事態終息を目指して努力していることは両者とも同様だ。
ただ、東国原知事は畜産従事者の今後の生活と消費者の安全という2つを絶対条件として考慮しながら行動を決定しているのに対して、山田農水大臣は口蹄疫問題の封じ込めだけを考えて行動している。
この違いが両者の違いであると私は見ている。

だから山田農水大臣の決断の方が早くて、断定的だ。
個々の状況等を考慮しないからだ。
一見するとわかりやすいともいえるが、マニュアル対応とも言えるだろう。
要するに「法律がこうだからこうしなさい」ということだ。
法律際の事情に対して、本来その法律がつくられた精神や目的に立ち返って吟味するという姿勢がないのはそうした理由なのだと私は思う。

それが毅然とした態度、「ブレない」政治判断なのだと山田氏をはじめ現在の政権担当者は思っている。
それも、それでよい、かもしれない。
しかしそれでは一介の行政担当者としては合格かもしれないが、農水行政のトップとして政権中枢にいる人間としての責任を果たしているとは言えない。
こうした姿勢を歴史では「教条主義」と呼んできたのではないだろうか。

教条主義に陥るのも、ブレるのも、その原因の根っこは同一。
それは確固たる理念信念の不在である。
それを古今東西の有識者たちは「哲学」とも呼んできた。
現代日本人が生理的に忌み嫌う言葉の一つであるかもしれない。
しかし、だからこそ、確固たる理念哲学を持った政治家を送り出していくしか、政治を抜本的に改革する方途はないのだと痛感する毎日である。

【関連記事】
宮崎県知事 民間種牛 県有化の意向 農家から無償譲渡 国に特例要望へ【西日本新聞】
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