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2010年7月 7日 (水)

消費税10% 菅直人の虚言に踊らされていないか

参議院議員選挙も残り4日。最終盤を迎えた。
マスメディアでは今日あたりまでに最終の世論調査を行い、投開票日直前の土曜の報道にぶつけてくる。昨年夏は衆院選で単純に比較はできないが、投票を直前にした有権者の意識に温度差があるのは明白だ。

ひとつ指摘しておきたいのは、菅民主党のメディア戦略にまんまと嵌っていないかという点だ。
そもそも、菅直人は消費税を10%に引き揚げようという気持ちなど、これっぽちもない。
この選挙期間中の国民の目を政治の本質からそらせたいだけだとしたら、見事にその意図は達成したことになる。
今日はその点について論じてみたい。

そもそも今回の選挙の争点は何だったのか?
選挙期間に入るまでの様々な政治上の争点を整理してみて私なりにまとめるとすれば

①普天間基地移転を含む日米安保の今後
②小澤・鳩山に代表される「政治とカネ」の問題
③世界経済恐慌からの景気回復施策
④高齢者医療、年金等を柱とした介護福祉施策
⑤国家財政の黒字化(プライマリーバランス・赤字国債解消の問題)
⑥根拠のないマニフェストの真贋(財源なきバラマキ)

この6点ほどに集約されるのではないだろうか。
しかし民主党政権には、上記6点に対する具体的な解決策を提示することができていない。それどころか、昨年夏の衆院選で掲げた民主党マニフェストの実現のために更に国債発行額を増加させてしまっている。

上記の争点に対して、どの政党が、どの候補者が有益な方策を提示しているのか。
この視点で投票行動を決していくべきであると私は思うが、皆さんはどう感じておられるだろうか。
その具体的な行動の選択肢として出てくるのが、いま政権与党にある民主党政権の継続の可否という形になるのは自明の理である。

菅直人の消費税10%発言は、こうした争点から国民の目をそらすために打ち上げられたアドバルーン、完璧なスケープゴートであると私は断じておきたいと思います。なぜなら消費税増税を超党派で審議する云々する前にやるべきことがあるからだ。
それは
・まず最初に、いま日本国政府として行なうべき必要十分な施策は何か。
・そのために必要な予算がどれだけ必要なのか。
・必要な予算に対して削減できるコスト、組み換えによって捻出できる予算額はどれだけか。
・新たに必要となる財源はいくらか。
・税方式による確保か、保険料等による確保か。その割合はどう考えるか。
・税方式で確保する予算金額のうち、直間比率はどう設定するのか。
・消費税、環境税など直接税の中での割り振りはどう設定するか。

こうした検討を綿密に重ねた上で、初めて「消費税を何%引き上げるべきか」という議論に入ることができる。多くの賢明な有権者がすでに気づいていることですが、あえてこの点を私たちは指摘しておくべきだと言っておきたい。

こうしたことをがわかっていて菅直人は「消費税10%の部分だけ一緒に協議しましょう」という。しかも「政策は民主党だけで決めます」である。
何をいわんかである。

もし仮に、上記のような手順がわかっていなかったというのなら、それこそ政治家としての資質ゼロである。
国債発行額だって43兆円ベースで考えるという。何をいっているのか?と言いたい。たしかに麻生内閣時には総額40兆円に達したがあくまで非常事態との認識。小泉内閣時には30兆円に押さえ込んでいた事実を私たちはよくよく有権者に認識させなければならない。

結局民主党がマニフェストで掲げた夢のような政策のために40兆円を超える赤字国債を発行し、消費税を10%に引き揚げるようなものである。

こうした点などわかりゃしないだろうとたかをくくって、やる気もない「消費税論議」をぶち上げているのが時の総理大臣なのである。
選挙戦終盤までこの話題ひとつで、マスメディアや野党、有権者の関心を引っ張ってきたんだから、菅直人という人間は相当な策略家である。

「そんなつもりなどないよ」というのであれば、なおさら問題だ。
こんな初歩的なことに気づきもしない人間に政権の座にいてもらっては、日本の将来は真っ暗闇である。

菅直人と民主党から次々と出てくる発言は、どれもこれも思いつきレベルだ。
扶養控除廃止はおかしいではないかと言われれば翌日は「廃止はやめます」。
所得が低い家庭には消費税負担が重くなると指摘されれば翌日に「低所得者には給付つきで還付します」。
その基準も250万円、300万円、350万円、400万円と、ころころ変わる。
そのいい加減さを指摘されると今度はだんまりを決め込む。
普天間問題も何も解決に前進していない。
八ツ場ダムだってそうだ。
後期高齢者医療制度だって「絶対廃止」といっていたが何も取り組みなし。
年金制度改革に至っては検討するつもりすらない。
今日になったら「法人税を来年から引き下げます」と発言。本当にやる気があるのか。
とりあえず、目先の変わったことを言っていれば、民主党支持率も大きく下がらないうちに投開票日を迎えられるという気持ちなのだと思う。

これでは55年体制下での利益誘導型の政治家よりもたちが悪い。
日本人は、本当にマスメディア報道に左右される大衆だ。
枝野氏は今回しきりにメディア批判を繰り返しているが、昨年の民主党報道だって異常だった。それに比べたら今のメディア報道はおとなしいものだ。
なんだかんだいっても報道露出が多くなっているんだから目くじら立てることもないだろう。
堂々と自分達の主張をすればいいのだ。

それよりも私達有権者一人ひとりの見識が問われる時代になったということである。
理念も信念もない、口先だけの甘い話に乗ってしまうのか。
それとも自分達の子どもの世代まで考えて、託すべき政党、候補者に一票を投じるのか。
いま政治家に求められているものは、確固たる信念哲学と、それを現実に遂行する実行力である。いまの民主党政権に決定的に欠けているのは、この日本をどうしたいのかという哲学信念である。それは小手先の施策を云々する前の次元である。国家世界の百年を論じるために必要なのは情報やテクニックではない。私達人類が、そして未来を継ぐ子供達の世紀をどのようにしたいのかという理想哲学である。
それが持てないから、目の前の出来事に右往左往してしまうのだ。
それを世間の目は「ブレる」と受け止めているに過ぎない。
そのことを私たちは今一度、深く理解しなければ、言葉尻で右に左にと振り回される状況から脱することができなくなってしまう。

気分や報道の情報だけで簡単に投票することだけは、絶対にやめてほしい。
たかが「一人」、されど「一人」である。
たった一人の真摯な思いの集積が、日本と世界の未来を決めるのだと信じて行動したい。

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