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2010年5月24日 (月)

口蹄疫問題で種牛49頭の殺処分発表 他の選択はできないのか 

宮崎県に発生した口蹄疫問題。
エース級種牛への感染で、いま宮崎牛は存続の危機に立たされている。
東国原知事が提案した「種牛49頭の経過観察」は却下された。即断ともいえる早さだ。
その理由は「例外は認められない」と報道されている。
そうした政府の対応にあなた自身はどのように感じたであろうか?

そもそも「例外」か「例外でない」かという判断の分かれ目となる基準は何だろうか。事件の報道を見てきた一国民の意識として、それは「口蹄疫被害を封じ込める」という一点ではないかと私は感じている。
種牛49頭を殺処分から経過観察に切り替えることがその基準に抵触するだろうか。
結論は「抵触しない」。これが私の判断だ。
種牛49頭を解放するというのではない。
経過観察を続けて発症したら直ちに殺処分にするというのだから、一定レベル以上の防疫体制を取れば感染拡大を封じ込めるのではないか。一縷の望みにかけたい宮崎の人達の必死の思いが、じんじんと伝わってくる。

49頭は「生存しているだけでウィルスを撒き散らしている」との山田正彦農林水産副大臣の発言は、間違いなく、風評被害を煽っている。少なくとも、現時点では感染しているかどうかはわからない。今だって常時の防疫処理も隔離も行なっているはずであって、「撒き散らしている」という発言は、聞き流すわけにはいかない。
もし仮に、山田氏の言うことが正しいと言うのであれば、エース級種牛6頭をどうして隔離して経過観察処分にしたのか?この種牛だってウィルスを「撒き散らしている」ことになるだろう。
政府の一連の判断は、論理の整合性に欠けている。
山田氏は自分の言動を真摯に反省、謝罪すべきだ。

もし今回の決定通りに殺処分が実行されて、元々隔離していた残り5頭も感染してしまったら、残された畜産農家はどうすればよいのか?
政府はどのような対応策を検討しているのか、はっきりと示してもらいたい。
正直な印象として、今の政府の対応は、「毅然とした判断を示さなければまた国民から非難されるから一度決めたルールは絶対に守らせる」と思っているのだろうとしか、思えない。
山田正彦農林水産副大臣は「他の農家が納得しない」と発言している。たしかに全員が納得することはないだろうが、宮崎牛存続のための特例処置なら多くの農家は納得するのではないか。それは、自分たち自身の目の前の未来の生活に直結するからだ。
自分達の未来を守る対策に、多くの農家の方々が反対するとは、どうしても私には思えない。

初動から後手に回り、危機意識が欠落している政府を批判することはここではしないでおこうと思う。
それよりも、何をすることが、少しでもよりよい結果を生み出す要因とできるのか、そのことをもっと、もっと、真摯に思索し、行動することを政府関係者に求めたい。

そして、49頭の殺処分の決定を撤回し、宮崎の畜産農家の人生を守る方策を懸命に模索し行動せよ。
心ある政治家がいるのならば、いま、目の前で苦しんでいる一人の人のために、全力の限りを尽くせ。

私は心から、そう叫びたい。

【関連記事】
【口蹄疫】殺処分対象の種牛49頭の延命に賛成?反対?(Livedoorリサーチ)
種牛49頭の殺処分発表 宮崎エース級5頭だけに(47NEWS)
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