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2009年9月 1日 (火)

民主党が歴史的大勝 変わるべきは国民自身

8月30日(日)に投開票が行われた第45回衆議院議員選挙の結果が確定した。
ふたを開けてみると、日本の憲政史上に特記されるほどの民主党の大勝である。単独政党による308議席というのは空前絶後。よくもここまで集約されたものと、さずがに驚嘆である。

政権交代の原動力は「自民党政治」への不満エネルギー

ただ、衆議院内の勢力分布という視点では、想定内の状況だ。
改選前の自民と民主の勢力がきれいに入れ替わったと思えば、わかりやすい。
絶対安定多数(269議席)を大きく上回ったが、衆議院での再可決に必要な3分の2には民主党だけではわずかに届いていないという意味で、ぎりぎりバランスが保たれたとみるべきだろう。

私も含めて多くの人々が指摘しているように、今回の民主党勝因は民主党そのものにあるわけではない。「自民党政治、いいかげんにしろよ」という国民の不満、鬱積した怒りが大きなエネルギーになっている。その意味では、必ずしも建設的判断とは言えない部分も、大きい。

選挙戦、その前から通して、自民、公明両党は、「民主党の政策(案)には財源がない」「一貫性、政策間の整合性がない(矛盾している政策が並立している)」と糾弾してきた。
その危うさは投票日前になって、やっとマスメディアも指摘を始めた。
いよいよ、政権交代である。
民主党は、マニフェストに公約として掲げた政策案の実行に全力を挙げるかどうかを、私たち国民は厳しく監視し、実行を促していかなくてはならない。

民主党 「修正」すべきは、潔く、「変節」せよ

私が少し調べただけでも、相当に問題点が山積している。
どう考えても、できないことを言っている面がある。
この政策を行うと、その逆作用のマイナス影響が大きすぎる。
日本の将来に大きな禍根を残しかねない。
こうした危惧がある。
特に「政策間の不整合」については、恥じるべき点は率直に国民に詫びて、恥や外聞は捨てて、国民と世界平和のために、修正を行っていくべきであると、強く申し上げたい。

自民党と公明党 本来の野党の姿を見せよ

自民党と公明党にも、成熟した対応を望みたい。
民主党は、308人の衆議院議員を擁すると言っても、半数近くは政治経験の少ない初当選だったり返り咲き議員である。2週間前まで政治家になることを思いもしなかった人も含まれている。
4年前の「小泉チルドレン」のときもそうだったと言えなくもないが、それでも政権与党としての自民党の経験値と若い意欲がかみ合っていくことができた。
しかし、今回は民主党自身が政権与党を初体験する立場である。
若手議員の育成に時間をかける余裕などまったくない。
その経験値の不足を、与野党の枠組みを越えて、自民党、公明党の議員に期待したい。

政策についても同様である。
党利党略で、国民不在の反対をするような、野党のあり方も劇的にかえてもらいたい。
そんな野党によって不利益を蒙ってきたのは、他ならない私たち庶民である。
どこまでも、国民と世界のために行動する議員であってもらいたい。
そして、「これが本当の野党のあり方だ」というものについても国民に示してもらいたいと思う。

政権与党から転落した自民、公明両党 解党的出直しを

もちろん、政権担当を外れることになった自民党と公明党には、今までの総括と今後やるべきことについて、真摯に議論し、行動を起こしてもらいたい。

自民党には、戦後政治を一貫して担ってきたことへの国民の審判が下った。55年体制が実質的に終焉したとも言えるだろう。
公明党においては、特に政権与党になってからの10年間に対する総括と自己評価が重要になるだろう。党代表や幹事長の落選という結果は真摯に受け止めるに十分に値する。今後の党運営も大切な課題である。

そして、両党共に、ただ反省の弁になる必要はないと思う。
高度経済成長期、バブル崩壊後の日本の危機的状況のなかで敢えて火中の栗を拾ってきた実績も評価されてこそ、正視眼での総括といえると私は思う。
オールオアナシングの風潮は、大きく是正されるべきである。

小選挙区中心の制度の見直しと成熟した「政策連立」の時代を

小選挙区と比例区との重複立候補をしなかった公明党の筋の通し方は、並立制の選挙制度の根本精神を考え直すには十分な問題提起でもあった。その結果として、擁立した8小選挙区全敗という代償は、公明党にとってはあまりにも大きい。
しかし、良かれ悪かれ、どのような制度であってもそれが施行されているならば、敢然と挑戦する姿勢は貫いてもらいたいと、強く思う。
こんな政党がひとつは必ず必要だ、もっと言えば、政治の中核に存在し続けるべきだ、と思う。

93年に小選挙区制導入時に、大きな批判があった重複立候補が、いつのまにか当然のように行われている現状に一石を投じ、ひいては小選挙区制の是非についての議論を喚起することを、大いに期待したい。

その意味でも、また民意の反映という意味でも、10年20年先の選挙制度改革を見据えて、今から改善のための議論を始めることを提起したいと思う。

全体の投票の割合と獲得した議席の割合は、当然、大きく異なる。
それが選挙区ごとに1名の当選者を選び、次点以降の票を反映させない小選挙区制の特徴であるが、庶民の生活スタイルが多様化し、個々の政策による個々人における恩恵の差異の発生、支えられる側と支える側の交錯状況を勘案すると、2つの政党だけで民意を反映させることは、困難であり、現実的でない。

より多くの意見を反映できる中選挙区制、そしてその先にある連立政治が、これからの時代にふさわしい政権のあり方ではないかと思っている。

議院内閣制と政策連立 首班指名にあり方

その連立の形も、いわば「政策連立」と呼ぶような、次の段階に進むことが必要ではないか、と考えている。

議院内閣制を採用している日本の国会においては、第一党が内閣総理大臣を選出するのが筋であろう。過去の例において、第1党ではない各党が首班指名の段階で共同歩調をとって、第1党以外から総理大臣を選出した歴史がある。

しかし、それをやってしまうと、それぞれの党の独自性を発揮することができなくなる。他党から選ばれた総理であっても「自分たちも選出した」となれば、多少の政策の違いがあっても、最終的に総理大臣の意向を支えるという行動をとるしかなくなるからだ。
国民目線から言っても、選挙で第1党に投じた有権者の気持ちが無視されることになりかねない。

したがって、首班指名は、原則あくまでも、各党独自で行うべきであると申し上げたい。
そのうえで、一致する政策については、政策連立を組んで、その実現に協働して頑張る。
別の分野の政策については意見の相違がある場合は共闘しない。政権の中核にある第1党は、政策を共有できる別のB党との政策連立を模索する。
こうした関係が生まれてもいいのではないか。
そんな試行錯誤を行っていく時代に入った、と言いたい。

政策連立の時代へ 閣内不一致は筋違いの批判

そうした状況が生まれた場合に、大きな試行錯誤として、閣内協力をするかどうか、という問題にも直面するだろう。
私は、「これは是非実現するべきだ」という信念がある政策の管轄省庁があれば、第2党以降であっても、大臣や副大臣を出す「閣内協力」があってしかるべきだと考えている。
ここで、発想を変えないといけないのは「閣内不一致」との批判についてである。
成熟した政策連立の時代には、すべての政策にわたって「閣内一致」を行うことは、現実的ではない。
閣内一致をいうのであれば、単独政党による内閣編成しか、選択肢が残らないからである。「党が違うが連立を組んでいる」状況において、「内閣一致を貫け」というのであれば、各党の独自性は不必要だということになり、第2党以降の連立政党は事実上「第1党の○●派閥」ということになってしまう。

公明党の10年間の連立路線の総括においても、上記のような視点が必要だと感じている。この点を明確にすることができれば、自公連立10年の経験を最大限に次に活かすことができる、と私は考えている。

また今回の政権交代にあっても、民主党と社民党、国民新党の3党で連立を組むと発表された。しかし、政策連立という発想がないため、3党は首班指名から共同歩調をとるだろう。
それでは、社民党、国民新党は政策の差があっても最後は民主党の政策に対して賛成に回る事態が生じる。結果として、個々の政党としての存在意味はなくなっていく。
少なくとも、国民目線では、違いはわからない。
おそらく、早晩、この3党連立が行き詰まりをみせることは、間違いない。

変わるべきは国民自身 常に前進し続ける日本の創出を

いずれにしろ、新しい政治の出発である。
決して悲観的にならずに、主義主張を越えて、国民自身が共闘する時代である。
根拠なきバラ色の未来像を描くこともやめたい。
現実を真正面から見据えて、緊迫した目下の課題に全力で取り組みたい。
実際に結果を出すことができなければ、待っているのは、今まで以上の苦しい生活である。
政権交代を望み、それを実現させた国民の責任を果たす。
「チェンジ」を求められているのは、むしろ、国民自身であることを、強く自覚すべきである。

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