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2009年1月13日 (火)

第28回黎明塾 パートナーシップ戦略と雇用の創出

今月10日(土)に28回目になる黎明塾を開催しました。
今回のテーマは「パートナーシップ戦略と雇用の創出」。

現在の自社の体力を超える事業を行うというシーンはことのほか多くあります。自社の持っている能力の範囲内で仕事をしているだけではいずれは企業は衰退することになることを考えると拡大はすべての活動の使命ともいえます。
その場面で事業を遂行するのか、辞退するのか。
遂行する場合には、実力との格差をいかにして補うのかという経営判断に迫られます。
大きな選択肢として、パートナー・リレーション・シップ戦略とスタッフ雇用があげられます。

昨今の社会情勢への関心が高く、当日は「雇用」が主なテーマになりました。
日本の製造現場の実態は思いのほかよく知られてはいません。現場を経験したことがある者にとっては当然ともいえる派遣労働と業務委託の現実は長い間、存在しないかのように扱われてきた経緯があります。
平成16年3月の労働派遣法の改正のポイントをみてみると、労働力を必要としているメーカー側と、建前だとしても労働者の処遇を保証しようとする鬩ぎ合いが容易に見て取れますが、その改正内容は荒っぽい感が否めません。
このときの改正労働派遣法が今回の「派遣切り」の底流にあることは間違いのない事実です。
また時を同じくしてアメリカのビッグ3の破綻が伝えられていますが、日本の自動車メーカーが危機的状況を避けられているのは低賃金で労働力を提供している人達の存在があることを私達は正しく認識すべきだと思います。

これは労働力だけにとどまらず、部品供給や下請工場、外国人労働者や2次、3次請負の存在など日本の産業構造全体の問題。一般にホワイトカラーと呼ばれる分野においても、個人請負や日本版ホワイトカラー・エグゼンプションの導入等で雇用する側の論理が徐々に浸透しているようにも感じます。
中小企業の黒字経営率が非常に低いまま推移し続けています。
こうした慢性的な不況状態を抜け出すことが、本当にできるのか。
この一点をクリアできないとするならば、いくら起業する人がいたとしても、他人の不幸の上にしか自分の幸福は築けないことになってしまう。
雇用の創出など、一時的な利益だけでジリ貧になることを避けられない。起業を目指す者、そして現実の荒波の中で経営を行っている者にとっては、投げ出したくなるような状況が限りなく続いています。

ではどうすればいいのか。
多くの大企業の経営者は、思いのほか、安易な選択を行います。
自分の利益、特に創業者利益に預かっている者は、企業売却によって創業と一気に成長した利益をファンド化する。
スケールメリットを考えてM&Aを繰り返す。
しかし、それは根本的な解決にはならないことは、少し冷静な人であればわかるような単純な構造ですが、まことしやかに繰り返されます。
中小零細企業にあっては、何も打つ手すらなく、状況に翻弄されるのみ。必死に目の前の仕事に没頭しますが徒手空拳であることには変わりがない。その多くが廃業に追い込まれようとしている。

たしかにこのような経営者自身の問題が大きい。
しかし、それ以上に、市場を形成する消費者、国民、庶民の不見識が、本源的に問題を抱えていると断じたいと思う。
一部には怠惰な者もいるが、多くの企業経営者は必死に奮闘している。
しかし、その一方で、消費者も、自分のことだけしか考えなくなっていやしまいか。
将来の環境を破壊しているとわかっていても、安い商品を購入する。
どれだけの原価がかかっているのか、考えもしないで値段を値切れるだけ値切る。
自分の生活を考えるだけで精一杯だと主張ばかりして、地域やコミュニティのために汗を流さない。
社会が悪いのは「政治のせいだ」と罵り、そういう自分は他者のためには一切時間も労力も使わない。
そんなことで混迷の時代を切り拓く黎明を迎えることなどできやしない、と私は思う。

経営とは自他共の繁栄の実現にその目的がある。
そのためには経営者と共に、消費者が賢明にならなければ、その実現などありえない。
経営の神様と言われた松下幸之助も、明治に生きた日本の民業の基盤を創り上げた渋沢栄一も、全く同様の主張をしている。
ここに現在社会が直面している諸課題の解決の曙光が見えると私は考えている。

次回はこの突破口のひとつとして、地方地域における創業の可能性について論じたいと思います。

【実施内容はこちら→】第28回黎明塾<実施内容>

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