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2008年5月17日 (土)

主婦業の年俸1200万円

先日、アメリカの調査会社の試算として「専業主婦の年収は1200万円」という記事が報道された。母の日に寄せた発表であり、こうした試算は常態化している。
試算の目的は、とかく軽視されがちな主婦業の大切さ、大変さを再認識することにあるようであるが、しかしこうした金額が提示されることに違和感を覚える人も少なくないはずだ。

労働時間を給与に換算するという発想がサラリーマン的なためだろうか、私も違和感を覚えてしまった。間違いのないように言っておくと、この金額が高いとか安いとかということを問題にしているのではない。
こうした試算をしてしまうと、多くの人に有為な商品を開発販売している大企業の社長も、泣かず飛ばずで青色吐息の零細企業の経営者も、同額の給料だということになる。
現実の社会では、もちろんそんなことはあり得ない。
自分が働いた時間分の報酬が得られるのならば、中小零細企業の経営者の苦悩など存在しないことになる。

ある一定の意図を持って、特定部分だけをクローズアップするとそのひずみが必ず生まれるものだ。おもしろおかしく報道したり、ネット上でも再掲したりコメントすることは慎むのがよい場合もあるのではないだろうか。
労働時間=自分の報酬。
こんな発想に疑問を持たず主張してしまう精神構造に、現代社会の病巣の一端があるのかもしれない。

【関連記事】
時事ドットコム「主婦業、年俸1200万円=米社が「母の日」で試算」
All About「主婦の仕事を年収に換算すると

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