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2007年10月10日 (水)

ジェネリック医薬品普及へ 健全な自由競争と利用者の勉強が必要

Cf153_l_2 今月8日(月)、厚生労働省は後発医薬品(ジェネリック医薬品)を普及させる目的でジェネリック医薬品の品揃えを充実させている薬局に対して調剤報酬を上乗せする方向で検討に入ったことが報道された。
現在原則として1回420円になっている調剤基本料に加算する考えだという。

立法の役割として、広範囲な社会的利益の誘導のために法的制約を設ける使命があるという面から一定の評価ができるだろう。ジェネリック医薬品を普及させることは社会保障費、つまり国民からの保険料と税金を有効に制御することに直結するからだ。
先行医薬品が研究開発等に投下した資金が回収された後で販売されるジェネリック医薬品の普及は根拠なき薬神話を是正する意味も持っている。

ただしこの調剤報酬の上乗せという措置には、ジェネリック医薬品普及のために庶民の保険料を投下するという側面がある。この点は不正受給の温床にならないよう、また調剤報酬の支払金額は伸びたが実質的な医療費は抑制されなかったというような本来の目的にそぐわない実態にならないように監視する必要がある。
もっとわかりやすくいえば、調剤薬局が報酬を得るために帳簿上の在庫量のみ貯えて実際の調剤には先発薬品を出すというような不正行為などが想定される。在庫量や品揃えだけではなく、実際の調剤薬品目をチェックする方策が求められるだろう。

ジェネリック医薬品の普及のためには、法改正のみでは不充分である。
根本的には次の3点が考えられるだろう。
ひとつは薬を処方する医師の処方時の対応の改善、ふたつには調剤薬局間の健全な自由競争、そして最後のひとつは患者自身の意識改革である。

まずは診察をした医師が患者に対して処方箋を出す際に先行医薬品名を書いてしまえば、患者や薬局の気持ちに関係なく書かれた薬品名の現物を買い求めざるを得ない。処方箋を書く際に努めてジェネリック医薬品を記載する、または追記としてジェネリック医薬品の在庫がある場合はその医薬品を出す旨を記載する意識を医師に求めなければならない。

その上で次の課題は薬局自身の姿勢だ。
どこの病院に行ってみても周辺に複数の調剤薬局が乱立している。
販売している薬は当然の事ながら価格差は、ない。
「ここの薬局で買ったらよく効くわよ」ということも、もちろんない。
そうなれば各薬局はどうやって経営をよくしていくかといえば、新規来店客数を増やすか、来店頻度を上げるか、一人当たり単価を上げるかの3つの視点しかない。
しかしさほど有効な方策を打つことができない各薬局では、店舗前に呼び込みの看板を設置したり、お茶を出すなど付帯的サービスに留まっているのが現状だ。それでもそこそこの売上があるのでそれ以上の努力をする必要を感じていないのかもしれない。格段に増加する見込がない現状の中で売上を維持する最大の要因は薬価である。そうなれば同じお客であれば価格の安い薬よりもより高い薬を売ったほうが収益になるのは自明の理だ。ジェネリック医薬品を積極的に置こうとしないのは、彼らの論理から言えば当然ともいえよう。
しかし、そこを一歩踏み込む調剤薬局の出現を期待したい。
ジェネリック医薬品を積極的にそろえることが他薬局との最大の差別化になる時代になりつつあることを自覚し実践してもらいたい。

そのためにももうひとつの視点である「患者自身の意識改革」がもっとも重要だ。
病院で処方箋を出された私たち患者は明確な基準を持たないまま、複数の調剤薬局からなんとなく足の向いたところに入って医師に指定された薬品を買って帰る。医師が処方する薬品が先行医薬品なのかジェネリック医薬品なのかを知識として有する、またはわからない時には医師に問い返す賢明さを実行したい。
ジェネリック医薬品を揃えていない薬局であれば、入店後であっても買わないで退店する小さな勇気を発揮したい。

もともとは、自分達が支払っている保険料や税金である。
こうしたひとつひとつの意識改革こそが、多額の医療費の抑制に貢献することを正しく認識したい。

《関連リンク》
ジェネリック医薬品 普及推進へ報酬上乗せ
ウィキペディア 後発医薬品

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