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2007年4月16日 (月)

言論の正邪を見破る賢明な有権者たれ

今年は言わずと知れた政治決戦の年である。

今月8日(日)に投開票が行なわれた前半戦に続き、昨日15日(日)に統一地方選挙後半戦の告示が行なわれた。
明日17日告示の市町村長、議員選挙とあわせて22日(日)に投開票が行なわれる。
私の住む東京都練馬区でも、練馬区長選挙と練馬区議会議員選挙が行なわれる。昨日は正午前頃から各候補が地元私鉄駅前を中心に立候補の挨拶を行なっていた。夕刻は選挙カーが駅の南口、北口で10台近く交錯して、一気にヒートアップしていた。
投票までの一週間。
私たち有権者は、各候補の実績と公約をよくよく吟味して、大切な一票にそれぞれの思いを込めて行使したい。

告示前までの1ケ月ほどの間でモラルを逸脱した行為が目にとまった。
誰れ、とは言わないが、ある会派陣営(政党)のチラシだ。
3枚のチラシが数日の間を置いて入れられていたのだが、あまりにも身勝手な論調展開に義憤を感じたので少し概要を紹介しておきたいと思う。

一連のチラシで最初に目に止まったのは地元地名がついた「●●区民新聞2007年1月号外」というものだ(1月号外となっているが3月に入ってポストに入っていたように記憶する)。
大きな見出しがつけられており「子どもの医療費 4月から中学3年まで無料に」というもの。「区政アンケートを行なった」「議会で提案した」ことが書かれていて、この陣営(会派)が実現したと思わせる論調になっている。

次は3月30日付になっている「▲▲▲▲党●●区議団ニュース」だ。
大きな見出しは「こども医療費中3まで無料、いきいき健康券実施」。論調は前出のチラシと同様だが、大きく違うのは「予算に反対したのに実現したと言えるのか」「議会で質問しただけで実績と言えるのか」という党外からの指摘に反論している点だ。

最後の3枚目は告示前日の4月14日(土)のチラシだ(私が気づいたのは翌15日だが告示以降の届出のないチラシ配布は選挙違反のため14日にポスティングしたのだろう)。
これに書かれていたのは地元小学校敷地内に開設された学童クラブがその陣営(議員候補本人)の実績だというものだ。

地元での経過などがわからないと、どれも「なるほど」と思われるかもしれない主張だが、事情を知っている地元住民からみると実績詐称以外の何ものでもない。
上記の会派の議員候補たちは告示前から繰り返し「私たちが医療費無料化を推進」などと街頭演説やチラシで宣伝していた。その根拠としてチラシにもあったように「議会で質問した」「署名を行なった」ことを挙げている。
しかし、議会で質問しただけで、署名を集めただけで、「その政策を実現した」と言えるわけがないのは誰が考えてもわかることだ。
そんなことを言っていたら
「実現しそうな政策について一言二言質問しておこう」
「急いで署名を集めて出しておこう」
ということをやって、「政策を実現した」と全議員が主張し始めることになる。
そんな論理が通るはずもない。
議会での質問は議員としての職務でもあるが、それと「自分が実現した」と主張することは次元が全く異なる話だ。

もし仮にある小学校で志のある小学生が学校をきれいにしようと自ら早朝の清掃活動を始めたとする。地道にコツコツと何ヶ月も続けて有志の友人も一人二人と増えてきた。
その様子を見ていた要領のよい全く関係のない同級生が、学校の先生達に「学校をきれいにすべきだ」「私がその主張をしている」とパフォーマンスをして「このとおりみんなが清掃を始めている」「これは私が言っていたことが実現したのだ」と主張して、真実を知らない地域社会から表彰されたいと願うようなものだ。

●政策を実現するために、住民の皆様から理解が得られる財源を確保する。
●公平で効果のある実施計画を策定し実施方法を精査し、決定する。
●関係する部署、諸団体と問題点を協議し、様々な付帯事項等を解決する。
●財源と実施要綱案に基づき、予算案を策定し、審議、決定を行なう。

これらの地道な努力を行なって、はじめて政策を実現したと言えると私は主張したい。

学童クラブの設置に至っては、墓穴を掘ったといえるだろう。
設置した小学校長も、実際に陳情をした保護者、PTAの方も上記会派の議員達が動いたという事実はないとはっきり証言している。
「学童クラブ設置のために動いたのは他の人だ」と、皆が口をそろえて他の会派に所属する議員(仮にT氏としよう)の名前を挙げる。
・実際に放課後に児童が過ごす学童クラブの定員が少なく、要望を聞きに来てくれた。
・この話を聞き、建設のための複数の候補地を交渉した。
・区議会に地域住民から要望書を提出し可決された。
・その後も現実には問題が噴出し、特に区と折衝して予算を確保した。
・難航した建設場所については現在の小学校長が英断して決定した。
・当初2007年4月予定だった開所時期を、子供たちのためにと2006年12月に繰り上げてオープンさせた。
これらの問題の解決のため、T議員が動いて一つ一つ事を進めていったことが、区関係部署や区議会の議事録にはっきりと残っている。
そしてなによりも関係した地域住民の声が証明している。
私も地元住民のひとりとして、一昨年からこうした経緯を見守ってきた一人だ。
問題のチラシに書かれているような、数回要望した程度で開設できるほど単純な問題ではないのだ。
前述のチラシが真実なのか?
事の真偽がどこにあるのか?
誰が嘘をついているのか?
少なくとも学童クラブについては事実としてはっきりとわかるのだ。
それを真実を捻じ曲げたチラシなどで言いくるめることができると思っているとしたら、相当庶民を馬鹿にしているに違いない。

こうした言葉の虚偽が横行してきたのが今までの日本の政治なのかもしれない。
このチラシや虚偽の主張をばら撒いている会派(政党)は、広告宣伝による世論操作を行なってきた歴史もあるのかもしれない。
最終的な目的達成のためには、途中の手段の選択は誇張や虚偽も許されるような信念、方針なのかもしれない。
しかし悪事に大も小もないと私は思う。
人として許されないことをやった人間に私達の代表として政治を任せることができるだろうか。ましてや政治は私達の子どもや孫の世代に連綿と続く、今生きている世代の責任が問われる偉業である。

善悪を見抜く賢明な有権者の投票行動を望みたい。

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