« 郵政民営化を考える(5)日本はソフトランディングの国 | トップページ | 鳥インフルエンザ感染鶏処分方針の変更 »

2005年8月22日 (月)

財政投融資の問題は何か?

先日の日記(8月18日)で郵政民営化の目的には「財政投融資という市場金利よりはるかに高い金利を税金で払い続けているところにメスを入れる」と書きました。この「財政投融資って何?」という質問を受けましたので簡単に説明しておきたいと思います。

財政投融資とは郵便貯金や簡易保険で国民の皆さんから預かったお金の運用先として特殊法人に貸付を行うやり方を指します。その貸付先から支払われる金利によって郵便貯金の利息や簡易保険の満期利息や病気災害時の金額が支払われます。つまり運用して少しでもお金を増やさないと支払いができないことは一般の銀行や保険会社と同じです。

現在郵便局は国の機関ですので預かった保険料や貯金の運用先は法律で決められていないといけないのですが以前は管轄省庁であった郵政省(当時)の裁量で国会の承認もなく行われていました。その運用先が道路公団や住宅公団などの特殊法人です。2001年6月の特殊法人等改革基本法の施行によって運用先についてもガラス張りに近づけましたが、郵便局側の改革に着手できていなかったため、特殊法人への投融資は現在も続いています。

特殊法人に対しては、一般会計と特別会計から補助金や出資金名目で年間4兆円以上の税金が投入されています。出資金は一応は返還されることになりますがもし破綻すれば返済はさせませんし補助金は元から返済されません。
その一方で郵便局から貸し付けられた融資については滞りなく金利分が支払われています。税金によって郵便貯金や簡易保険の支払が行われているという指摘はこの実態を指しています。

しかもその金利は市場金利よりも高いとなれば納税者である立場からは「なぜ高い郵便局から融資を受けないといけないか」という当然の疑問が出てくる。それは郵便貯金預金者への利息支払と簡保契約者への支払を確保するためですが、ここまで話せば、郵便局という国営企業があるがゆえに多くの国民が必要以上に多くの負担を強いられていることが誰にでもわかるでしょう。

その一方でその資金によって赤字だけの高速道路が次々と造られている。その投融資は適切なものなのか?もっと優先させるべき融資先はないのだろうか?現在郵便局は360兆円もの資金を保有している。その運用先が特殊法人だけでよいわけがない。と私は思います。
改革改革と言って、道路公団の放漫経営を弾劾している民主党は、税制投融資という潤沢な資金の入口を改革するという視点は持ち合わせてないのでしょうか。民営化以外の手法によっても抜本改革ができるというのであれば明確な代替案を提示しなければ誰も納得してはいけません。

事実、今まで大口の融資先であった住宅金融公庫での長期固定金利での住宅ローンは国会決議を経て廃止されたが、国民生活には支障が出ていない。なぜか?それに代わる形で銀行等で同率の長期固定金利での住宅ローンが組めるようになったからだ。このことによって税金の支出先を大きく減らすことに成功している。郵便局の大口融資先も縮小せざるをえないのだ。

しかし他の融資先を探そうにも民間企業への融資は法律で制約されている。郵政民営化を進める理由のひとつがここにもある。

|

« 郵政民営化を考える(5)日本はソフトランディングの国 | トップページ | 鳥インフルエンザ感染鶏処分方針の変更 »

政治」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134217/5704267

この記事へのトラックバック一覧です: 財政投融資の問題は何か?:

« 郵政民営化を考える(5)日本はソフトランディングの国 | トップページ | 鳥インフルエンザ感染鶏処分方針の変更 »