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2004年12月22日 (水)

ODAコンサルタント会社の不正発覚

中米コスタリカへの政府開発援助(ODA)をめぐる使途不明金疑惑で、事業を請け負った海外コンサルタント国内最大手の「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」(東京都多摩市)が約5万ドル(約500万円)分の架空領収書を作り、他へ流用を隠していたことが今月21日、国際協力機構(JICA)の調べで判明した。
JICAではPCIに対し使途不明金約17万ドル(約1800万円)の返還を求めるとともに指名停止6ケ月追加処分を決めたと報道されている。6ケ月の指名停止追加処分(経理手続きの不備で既に2ケ月停止処分があるらしい)や事業費返還請求は極めて異例の措置で刑事告発も視野に入れているとされているが、即時に指名業者資格を剥奪しないのは手ぬるい印象は免れないだろう。何らかの癒着があるのではという疑念さえ生みかねない。

PCIはHPに公開されているデータによると、事実上53年の実績を持つ老舗だ。元々は昭和26年に日米合弁会社として創業、昭和29年にそれまでの日米合弁会社を解散、日本人によるパシフィックコンサルタンツ株式会社(PCKK)に改組し1969(昭和44)年7月1日に当時の海外事業部門が独立してパシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)となっている。この両社(PCKKとPCI)の本社所在地は同じ多摩市関戸1-7-5であり代表電話やfax番号まで一緒である。また両社を統括する持株会社、パシフィックコンサルタンツグループ株式会社(PCIG)が2000年2月に設立されていることからも両社の関係が密接であることがわかる。

ちなみにPCIのHPには両社の企業データが併記されている。それによるとPCIの従業員は357人、2003年年商は181.3millionUS$(約200億円)、PCKKは社員数1249人、2003年年商351.4millionUS$(約380億円)。どういう基準かは不明だが単純計算すると社員一人当り売上高はPCIで約5600万円、PCKKで約3040万円である。専門家集団を標榜しているだけあって不況の最中にあっても実に立派な数字である。

今回問題のコスタリカへのODA案件はコスタリカ北西部の農業開発調査の名目で2000年10月に4億2300万円で受注したという。このお金も私達の税金であることに間違いない。果たしてこの4億2300万円も妥当な支出かどうか疑わしくなってしまう。加えてコスタリカの国民にとって、農業振興にどの程度役立ったのだろうか。
この使途不明金17万3000ドルはコスタリカ政府機関である国土地理院に委託し払われるべき業務代金の大半で実際に支払っているのは5万8000ドル(約600万円)だという。600万円でも現地価格では大変な金額であろう。もともと17万3000ドル+5万8000ドル=23万1000ドル(約24000万円)に相当する委託業務が存在するのかどうかも調査されるべきだ。現地政府への謝礼(合法的な賄賂)だったのではないかとさえ思われてくる。
使途不明とされる金額は受注額の4%余。庶民感覚を逸脱しているが自己裁量の範囲だったと思っていただろうという推測も容易に成り立つ。

かつてODAコンサルタント会社を経営して数年にわたり大手シンクタンクとジョイントしてODA案件を受注していた知人もいる。彼は多くを語らないがそれでも当時のODAの内実を多少なりとも窺い知ることができる。また別の知人を通じてODAによる調査レポートを見る機会もあったが、正直な感想としてとても受注金額に見合うとは到底言えないものもいくつもあった。
まだそんなことがまかり通っているのかなという気持ちだ。

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